株式会社竹代 小牧工場
工場長 渡邉 尚子
不器用だったからこそ分かった、ものづくりの面白さ

入社のきっかけと、工場長までの歩み
ー入社されたきっかけを教えてください。
前職でワイヤーハーネスの仕事をしていました。その頃にリーマンショックがあり、前の会社を辞めざるを得ない状況になったんです。一度は別の業種に行ったのですが、やはりこれまでのワイヤーハーネスに関する経験や知識を活かして仕事をしたいと思いました。それで、ハローワークで応募一覧を見ていた時に、竹代の名前を見つけました。ワイヤーハーネスをつくっている会社だと分かり、応募して入社することになりました。
ー現在、工場長になられるまでにはどのような歩みがありましたか。
最初はパートタイマーとして雇用され、しばらくその雇用形態で仕事をしていました。その後、期間社員という雇用形態になり、正社員になりました。正社員になってからは、自分のグループのサブリーダーに選任されました。その後、リーダーから課長へ、そして室長を経験し、現在は工場長として仕事をしています。最初から役職を目指していたというよりも、その時々に任せていただいた仕事に向き合いながら、少しずつ役割が変わっていったという感覚です。現場の作業も経験し、仲間と一緒に仕事をしてきた中で、今の立場があります。
“不器用なので最初は苦労しましたが、電線一本から形になっていく過程を知ることで、ものづくりへの見方が変わりました。”
不器用だったからこそ分かった、ものづくりの面白さ
ーこれまでで特に印象に残っている仕事はありますか。
私はもともとあまり器用な方ではなく、ワイヤーハーネスの仕事は手作業が多いので、最初は苦労しました。電線の先端加工では「圧着」という作業があります。機械で行う場合もありますが、手動工具を使う作業もあります。その手動工具がなかなかうまく使えず、何度も失敗しました。それでも繰り返し練習して、ようやくきちんと圧着ができるようになった時は、やりがいを感じました。前職では生産管理で指示をする立場でしたので、実際につくることは分かっていませんでした。なので、「やってください」と指示をする側だった自分が、実際に手を動かしてものをつくることの大変さを身にしみて感じました。その時に、ワイヤーハーネスをつくることの楽しさも分かったように思います。電線一本から形になっていく過程を知ることで、ものづくりへの見方が変わりました。
ー苦労した経験を、どのように乗り越えてこられましたか。
やはり、不器用なのでものをつくることには大変苦労しました。最初からできるわけではないので、できる先輩にコツを教えてもらいながら、自分なりに努力をしていきました。あとは、乗り越えるときに仲間がいたことは大きかったと思います。自分だけで何とかしようとしていたら、もっと時間がかかっていたと思います。
“女性か男性かに関係なく、役割や仕事への向き合い方を見て登用してもらえる。それが竹代の良いところだと思っています。”
長く働き続ける理由と、竹代の魅力
ー長く働いてこられた理由は何でしょうか。
自分の職歴の中でも、竹代が一番長く働いている会社になっています。他の会社と比べることではないと思いますが、自分の働き方や考え方に合っているのが竹代だと感じています。女性が工場長を務めることは、私自身、少し格好いいかなと思う部分もあります。それと女性か男性かに関係なく、役割や仕事への向き合い方を見て登用してもらえることは、良い会社だと思っています。自分自身も、最初から何でもできたわけではありません。パートタイマーとして入り、少しずつ仕事を覚え、役割を任せてもらえるようになってきました。そうした経験があるからこそ、ここで長く働きたいと思い、現在に至っています。
ー竹代ならではの魅力はどこにあると感じますか。
私たちの会社の代表は比較的若い男性ですが、信念を貫く姿が一貫しています。会社に対する考え方や理念がぶれないところは、竹代の魅力だと思います。また、難しい言葉を使って「こうしよう」と言うのではなく、私たちにも分かりやすい言葉で説明してくださいます。代表と社員の距離が近いと感じられるところも良い部分です。会社として何を大切にしているのか、どうしていきたいのかを、現場で働く私たちにも伝わる言葉で話していただけるので、日々の仕事の中でも理解しやすいです。
“電線から電気が流れることは、人間でいえば血液が流れるようなもの。機械を動かす力をつくっているのが、私たちのワイヤーハーネスです。”
小牧工場の仕事と、一日の流れ
ー工場ではどのような仕事を行っていますか。
主な仕事は、ワイヤーハーネスの加工とユニットの組み付けです。一部では貿易の仕事も行っています。また、自社オリジナル製品であるトランスの製造・販売もしています。
ー工場の一日はどのように始まりますか。
朝は、リーダーやサブリーダー以上の役職者が集まり、その日に皆へ伝えなければいけない連絡事項などを打ち合わせします。その後、それぞれが各部署の朝礼に入り、必要な連絡を発信します。そこから業務が始まります。10時30分から10分間の休憩があり、昼休憩は12時10分から13時までです。午後は13時から業務を再開し、15時30分から10分間の小休憩があります。その後、17時30分まで仕事を行い、残業は17時40分から始まります。そこから、お客様から受注をいただき、製造に対する指示書を出します。その後、必要な部材の手配や配膳を行い、製造に進みます。製造されたものは検査を行い、検査・梱包をして納品します。納品は自社便を使う場合もありますし、宅配便でお客様へお届けする場合もあります。つくるだけではなく、受注から製造、検査、納品まで、一つの流れの中で仕事が進んでいます。
“品質を守ることは、お客様との約束を守ること。先輩から後輩へ技術を伝え、一貫して同じものをつくり続けています。”
電線一本から——ワイヤーハーネスの面白さ
ーこの仕事の面白さはどこにありますか。
ものが電線から圧着をすることによって、機械に電気が流れるようになります。人間に例えると、電線から電気が流れることは、血液が流れるようなものなので、機械が動く力になるものが、私たちのつくるワイヤーハーネスだと思っています。大変なこともありますが、電線一本から物ができていくことは、とても楽しいことです。ワイヤーハーネスだけではなく、ユニットの仕事もしています。箱の中にいろいろな電線が入り、それがお客様のところで稼働しているのを見ると、社会の役に立っていることがよく分かります。自分たちがつくったものが、ただ形になるだけではなく、実際にお客様のもとで使われ、機械を動かしている。そのことを実感できるのが、この仕事の面白さだと思います。
“どうせ仕事をするのであれば、楽しいと思える仕事である方が、人生は楽しい。竹代でその理想が叶えられたら嬉しいです。”
品質を守り、次の世代へ受け継ぐ
ー現場ではどのように技術や品質を守っていますか。
手作業が多い仕事なので、先輩から後輩へ技術を伝えていくことを大切にしています。作業の中で注意すべきことや、細かいコツなどもありますので、先輩が後輩に教えることを日々行っています。また、去年つくったものと今年つくったものに違いが出ないよう、常に同じ品質のものを作れるように気をつけています。品質については、お客様との約束があります。その約束を確実に守ることを大切にしています。
ーベテランから若手へ受け継がれているものは何でしょうか。
一番大きいのは、品質を守るということです。品質を守ることがお客様の信頼を得ることにつながるので、そこはずっと受け継いでいかなければいけないと思っています。そのために、先輩から後輩へ技術を教えることを徹底しています。作業をただ覚えるだけではなく、なぜ品質を守る必要があるのか、お客様との約束をどう守るのかという部分も含めて、日々の仕事の中で伝えていくことが大切です。コツコツと取り組むことが、結果として品質への信頼につながっているのだと思います。
譲り合い、気にかけ合う仲間たち
ー工場にはどのような社員の方が多いですか。
「あれは私がやります」というように前に出る方ばかりというよりも、「どうぞ、どうぞ」と譲り合う場面が多いように思います。それぞれが自分の仕事をしながらも、周りのことを見ている人が多いです。自分だけが良ければいいという雰囲気ではなく、困っている人がいれば気にかける。そうした人が多いと感じています。
ー人の良さを感じる場面はありますか。
仕事をしていると、仕事上の悩みがあったり、家庭のことで嫌なことがあったりして、気持ちが落ち込むこともあります。そういう時に、本人から相談を受けることもありますが、周りの人から「あの子がこんなことで悩んでいるみたいです」と話を聞くこともあります。本人が直接言わなくても、周りが気づいて、自分のことのように一緒に悩み、考えてくれる。そして、必要な時には私に伝えてくれることがあります。人の悩みを聞いて終わりにするのではなく、周りが気にかけてくれていることは、工場の良いところだと思います。
ー小牧工場の強みを一つ挙げるとしたら、何でしょうか。
強みかどうかは分かりませんが、小牧工場にはいわゆる「お局お姉様」はいません。仕事をする中で、誰かが強く言い過ぎたり、近づきにくい雰囲気になったりするのではなく、周りと関わりながら働ける空気があると思います。また、弊社は、岡崎に針崎工場(本社)、美合工場があり、小牧工場を合わせると3工場で仕事をしておりますので、それぞれの工場で連携を取っており、業務面、人財面で行き来をしております。他工場の工場長、工場長代理の方々は、ライバル、戦友と思い、切磋琢磨しております。
未経験から成長できる現場づくり
ー未経験の方でも活躍できますか。
できると思います。真面目に取り組んでいただければ、難しいことではないので、未経験の方でも十分に活躍できると思います。最初からすべての作業ができる必要はありません。作業手順書がありますので、それに沿って仕事をしてもらいます。また、一人ひとりのスキルを管理するスキルマップがあります。やったことのない仕事に取り組んでもらうことはありますが、その人のスキルに合わないことを、いきなり「やってください」と任せることはありません。一つずつステップアップしながら仕事を覚えていく形です。未経験だからできないということではなく、真面目に向き合って取り組んでもらえれば、成長していける仕事だと思います。
ー社員の成長を感じるのはどのような時ですか。
最初のうちは、「こうしてください」と指示をしてから動くことが多いです。けれど、だんだん仕事が分かるようになってくると、「こうやっておきました」と、やってから報告をしてくれるようになります。自分で考えて、必要なことを進められるようになった時には、「よく分かるようになったな」と感じます。なので、最初は指示を受けて動いていた人が、経験を重ねる中で、自分で判断して行動できるようになる。その変化を見ることができるのは、現場で働く中でうれしいことの一つです。
お客様の信頼と、安心して働ける環境
ーお客様からはどのような評価をいただくことが多いですか。
品質に信頼があると言っていただいています。特別なことを急にするというよりも、日々コツコツと取り組むことが、私たちへの評価につながっているのだと思います。品質を守ることは、お客様との約束を守ることでもあります。先輩から後輩へ技術を伝え、一貫して同じものをつくることを続けていく。その積み重ねが、お客様からの信頼につながっていると感じています。
ー安全面や働きやすさのために、工夫していることはありますか。
現場で働く部員さん第一で考えています。部員さんから「ここは少し危険ではないですか」といった声があった時には、すぐに対応できることは対応するようにしています。もちろん、お金がかかることについてはすぐに対応できない場合もあります。それでも、すぐにできることは管理職のメンバーが対応しています。現場で働く人が感じている危険や困りごとを、そのままにしないことは大切です。なので、働く人の声を聞き、できることから対応していくことが、安心して働ける環境につながるのではないかと思います。
これからの挑戦と、一緒に働きたい仲間へ
ー工場として、今後挑戦していきたいことを教えてください。
お客様から増産計画のお話をいただいています。これまで以上の1.5倍、2倍と力をつけて、お客様の要求に応えていきたいと思っています。そのためには、新しい仲間を迎えたいと考えています。今いるメンバーだけで頑張るのでは難しいところもあるので、新しい人にも加わってもらいながら、工場として力をつけていきたいです。お客様からいただく期待に応え続けるためにも、品質を守りながら、できることを増やしていきたいと思っています。
ーどのような方と一緒に働きたいですか。
「仕事ができる人」という方よりも、仕事に真面目に向き合ってくださる方と一緒に働きたいです。私自身、仕事ができる人ではないので、やはり、分からないことがあっても、きちんと取り組み、少しずつ覚えていこうとしてくださる方であれば、未経験でも大丈夫だと思います。ものづくりは、すぐに何でもできるようになる仕事ではありません。だからこそ、周りに聞きながら、真面目に続けていけることが大切だと思っています。
ー製造業に興味を持っている方へ、メッセージをお願いします。
ものをつくり、届けるということは、商売の基本だと思います。その流れが分かることは、製造業で働く面白さの一つです。受注が入り、必要な部材を準備し、製造をして、検査をして、お客様へ納品する。その中で、自分たちのつくったものが、お客様のところで使われていることも分かります。そして、電線一本から始まったものが形になり、電気を流し、機械を動かす力になる。ものづくりの流れを知り、その役割を実感できることは、楽しいことだと思います。
ー竹代の仲間になることを考えている方へ、メッセージをお願いします。
転職しようかな、新卒で就職しようかなと考えている方はたくさんいると思います。その中で、一歩を踏み出す勇気がなかなか出ないということは、誰にでもあることだと思います。そう思った時は、まず竹代に来てみてください。生きるために、仕事をしなければいけない人がほとんどだと思います。どうせ仕事をするのであれば、楽しいと思える仕事である方が、人生は楽しいと思います。竹代を選んでいただくことで、その理想が叶えられたらうれしいです。そして、ものづくりに真面目に向き合い、仲間と一緒に仕事をしていきたいと思ってくださる方と、これからも一緒に働いていきたいです。